今やTVやドラマで大注目のキッチンカー!
開業コストが安価で、好きな場所・お客さんのいる場所に移動できるキッチンカーは、飲食店に比べて低リスク。副業・サイドビジネスとして、新しいライフスタイルとして、会社の新事業としてスタートする方がどんどん増えています。
そこで本記事では、キッチンカー(移動販売)開業を考えている方、開業に必要な資格や資金などをひとまとめで知りたい方向けにキッチンカー開業の【完全マニュアル】を作成いたしました!
- キッチンカーの人気の背景
- 今後キッチンカーが広がる理由
- キッチンカー開業のメリット
- キッチンカー開業の手順13ステップ
というテーマで解説します。
「知りたい!」と思う部分だけでよいので、ぜひ目を通してみてください(^^)
もっと詳しく知りたい!などお気づきの点がありましたらぜひALANBOXまでお問合せください。→ALANBOXへのお問合せはコチラ
キッチンカー(移動販売車)人気の背景
最近、オフィス街やイベントなどでキッチンカーを見かける機会が増えています。
キッカケは2020年〜23年に流行した「新型コロナウイルスの影響」です。飲食店などが休業要請を受けたことで、感染リスクを下げて営業できるキッチンカー導入に踏み切りました。
それがキッカケで「キッチンカー」の人気が急上昇!個人で独立してキッチンカーを始める方や、副業・サイドビジネスで始める方も増えていきました。
キッチンカー(移動販売車)開業が今後広がるといえる理由
その理由を政治面・経済面・時代背景の3つの側面から見てみましょう。
①政治面:軽減税率→店内で食べるより安価な「持ち帰り文化」が拡大
消費税の増税と「軽減税率」の制度により「持ち帰ったほうが安価」という現象が発生。「持ち帰って食べる」という行動がさらに広がると予想されています。
②経済面:働く女性が増加→ランチ難民も増加
働く女性が増加したことでオフィス街で「ランチ難民」というが発生。ランチを食べたい人に対して飲食店の数が足りず「食べたくても食べられない」という人が出ています。
そんな中ランチ難民の救世主としてキッチンカーがTVやメディアでスポットライトを浴びています。また「少し高くてもいいから、健康にいいものが食べたい」というニーズから、キッチンカーで購入する方も増えています。
③時代背景:予測不可能な時代→『低コスト』『自由度の高さ』のメリットは大きい
経済の見通しが立ちにくい現在、初期費用が安く、ニーズ変化にも対応できる『キッチンカー』の需要がさらに増加すると考えられています。各自治体でも「積極的にキッチンカーを誘致しよう」という動きが広がっています。
このような状況からキッチンカー開業は今後さらに増えると予想されます。
キッチンカー(移動販売車)開業8つのメリット
キッチンカーには、路面店やその他のビジネスに比べて大きなメリットがあります。
大まかには次の8つです。
- メリット① 開業費用が飲食店の5分の1以下で低コスト
- メリット② 家賃などの固定費や人件費がほぼかからない
- メリット③ 自分のこだわりを表現できる
- メリット④ 季節・曜日・場所ごとにメニューを変えられる
- メリット⑤ お客様がいる場所に出向いて販売できる
- メリット⑥ お客様との距離が近くコミュニケーションが取れる
- メリット⑦ キッチンカーオーナー同士でのつながりができる
- メリット⑧ 時間・場所にしばられない働き方ができる
キッチンカー開業についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください→キッチンカー(移動販売車)のメリットについて解説
キッチンカー(移動販売車)の開業手順 13ステップ
Step1. キッチンカー開業に向いているかどうか確認
これらに当てはまった方はぜひキッチンカー開業に向けてチャレンジしていただきたいですし、もし当てはまっていなくても「こういう点を心がけたらいいんだな」と思うようにすれば成功への道は開けてきます(^^)
特長① 自分で何かを始めるのが好きな人
キッチンカーは何もないところからのスタート。ゼロから新しいものを生み出すことが「楽しい!」と感じられる方は向いているといえます。
特長② 人と話すのが好きな人
キッチンカーは路面店よりもお客様との距離が近いため、料理をお渡しする際に会話を楽しんだり、お一人お一人への心配りができたり、コミュニケーションが好きな方のほうが向いています。
特長③ いろいろな場所に出かけるのが好きな人
キッチンカーはその日その日によって、出店場所が変わってくるので、いろいろな場所に出かけるのが好きな方のほうが向いているでしょう。
特長④ セルフコントロールができる人
時間・場所にしばられずに働けるというのはメリットですが、その分、自分でスケジュールや目標を決めて、自分で行動するというセルフコントロール(=自己管理)が求められます。
例えば昼時に出店するとなると、仕込みは朝早くから始まりますから、早起きが必要になります。どうしても朝が苦手なら『居酒屋』『バー』として運営する手もありますが、『行動力』が必要なことは変わりません。
とはいえ慣れの部分も大きいので「今から自己管理を心がけよう」と意識するようにしましょう。
「キッチンカーやってみたい!」という強い気持ちが一番大切です(^^)
Step.2 キッチンカー開業について情報収集する
次に、キッチンカー開業について、情報収集をしていきましょう。
自分が出店したい地域のキッチンカーイベントや、出店場所、よく出店されているメニューなどを調査していきます。
インターネットだけでなく、自分の足でも調査することが大切です。たくさんお客様が並んでいるキッチンカーもあれば、そうでないキッチンカーもあるでしょう。
- なぜこのキッチンカーは繁盛しているんだろう?
- なぜこちらはあまり繁盛していないんだろう?
- 自分は、今なぜこのキッチンカーから買いたい!と思ったんだろう?
といった視点で、自分の心がどう動いているかを感じ取りながら見て回るのがポイントです。
Step.3 キッチンカーの開業計画を立てる
では実際にキッチンカーに開業するまでの具体的にステップについて解説していきます。
成功イメージを描く
キッチンカー開業の第一歩は「成功イメージ」を作るところから。どんなキッチンカーにしたいのか、どんな雰囲気の場所で、どんなメニューを提供したいのか、どんな人が来て、どのように喜んでくれているのか、、、
あなたの想像力と妄想力をフル回転させて、開業後のイメージを描いていきましょう。
- キッチンカーイベントに参加してみる
- 絵に描いてみる
- ストーリー風に書いてみる
どんなやり方でもOKですので、ぜひ自分に合った方法でイメージを作ってみてください。
キッチンカー製作会社に話を聞いてみるのもオススメです。すぐに購入するつもりでなくても、良心的な製作会社さんなら「これから開業を考えてます!」と伝えれば、キッチンカーに試乗しながら教えてくれたり、必要なものをリストアップしてくれたり、先輩オーナーの事例を見せてくれたりしますよ(^^)
具体的なスケジュールを決める
イメージが見えてきたら、次は具体的なスケジュールに落とし込んでいきましょう。いつまでに、何を用意するのか、分からないときはプロの意見も聞きながら、立ててみてください。
このときスマホやPCに書き込んでもよいですし、紙やノートに書いてもOKです。大切なのは「いつまでに」を決めること。決めるのは少し勇気のいることですが、後から変わっても全然OKです。「これくらいに開業できたらいいな」というあなたなりのイメージをぜひ書き出してみてください(^^)
収支シミュレーション
スケジュールを決めたら、次はもっと具体的に「収支シミュレーション」をしていきましょう。
どれくらいの金額の商品を、何個売ったら、どれくらい利益が出るのか?について数字で書き出してみましょう。
「数字が苦手」という方は、キッチンカー製作会社で収支シミュレーションを一緒にやってくれるところもあります。
とはいえ使うのは小学生の算数レベルだけでOK。数字は避けて通れないので、プロの力を借りてでもぜひ考えるようにしてみてくださいね。
スタッフ・仲間を集める
キッチンカーを複数人で運営したい方は、今のうちに仲間・スタッフ集めをするようにしましょう。それぞれ予定やスケジュールがあるので、早いうちに声掛けしておくことで一緒にスタートしてもらいやすくなります。
夫婦で、家族で、友人同士で運営されている方もたくさんいらっしゃいます。「この人と一緒にチャレンジしたい」と思える人と一緒に夢を追いかけるのも素敵ですね(^^)
Step4. キッチンカー開業の動機やビジョンを書き出す
おおよそのスケジュールを決めたらキッチンカーで開業する目的や目指したいビジョンを整理するようにしましょう。
- なぜキッチンカーを開業したいと思ったのか
- キッチンカーを通してどんな未来を創っていきたいか
- 自分の未来はどうなりたいか?
- 家族の未来、スタッフの未来は?
- お客様の未来は?
すべて明確である必要はないですが、ここが明確な方ほど「自分なりの判断基準」が生まれるので、迷うことなくスピーディーに行動しやすくなります。
ぜひ自分が思ったものを自由に書き出してみてください(^^)
Step.5 キッチンカーのコンセプトやメニューを決める
キッチンカーのコンセプトを決める
コンセプトとは、「どんなキッチンカーにしたいのか?」「どこで誰に販売したいのか?」という部分です。
例を上げると、
- 「都会のオフィス街で、昼間はボリューム感のあるランチを提供しながら、その後はカフェとして営業する」
- 「郊外のイベントや広場で、昼間は遊びに来ている家族連れ・カップル向けにランチを提供し、夜はバーとして営業する」
- 「大型フェス・イベントで、唐揚げ・チーズチリドッグなどの定番メニューにアレンジを加えた料理を提供したい」
- 「地元の食材を使って、健康志向のカレーやスープをメインに、サイドメニューとしてこだわりのコーヒーを提供したい」
といった部分がコンセプトにあたります。
このコンセプトが明確であればあるほど、提供するメニューや、キッチンカーのデザインも決めやすくなります。
キッチンカーのメニューを決める
コンセプトが明確になったら、実際に提供するメニューを決めていきましょう。食材の仕入れ値はどれくらいか、そしてどの商品をいくらで販売するのか、を具体的にイメージしましょう。高すぎても売れにくいですし、逆に安すぎても利益が出ないので、同じようなメニューを提供しているキッチンカーの価格感も参考にしましょう。
調理にかかる時間を短縮することも重要です。キッチンカーの場合、たくさんのお客様が一気に並んでくることがよくあります。そんなせっかくの稼ぎ時に、調理に時間がかかってお待たせしすぎると、並んでいた方が他に流れていってしまい、非常にもったいないです。
なお、このとき「客単価(1人あたりの単価)をできるだけ上げる」ことがポイントです。
例えばメイン料理1つだけでなく、トッピングメニューを設けてみたり、ドリンクと合わせ買いしてもらったり、名産品や他にないこだわりのメニューで価格を比べられないようにしたり、あなたなりの創意工夫を凝らしましょう。
Step.6 キッチンカーの開業資金を調達する
ここまでイメージができたら、いよいよキッチンカーを入手に向けて動いていきます。その際に必要な開業資金の集め方について、ここで解説します。たくさんの自己資金が必要なのでは?と感じる方もいますが、調達方法は大きく6種類あります。
自分にあった資金調達方法について目星をつけておいてください。
自己資金で用意する
一番、イメージされやすいのがこの自己資金で開業するパターンです。ローンや融資のように返済義務がないというメリットがあります。
自己資金がすでに貯まっている方には適していますが、これから貯めるとなると相当の時間がかかるので、ライバルが増えて参入しにくくなったり、モチベーションが下がってしまったりするリスクもあります。その点を踏まえて考えることが大切です。
ローンを活用する
キッチンカーは『自動車』なので、対応している製作会社であれば『自動車ローン』で入手できます。
詳しくは後ほど解説しますが、開業資金に加えて『運転資金』を準備しておいたほうがより安心なので、自己資金にこだわらずに融資を受けることも視野にいれてよいでしょう。
「自己資金+ローン」の組み合わせが可能で、その割合も自由に変えられるので、利用される方も多いです。
融資を受ける
銀行や日本政策金融公庫で『融資』を受ける手もあります。ローンに近いですが、融資は「キッチンカー購入以外にも使える」というメリットがあります。
審査はやや複雑ですが、ローンに比べれば金利が1%〜と低金利なので、必要に応じてぜひ活用してみてください。
出資を募る
バイタリティのある方なら友人・知人から「出資を集める」という手法も魅力的かも知れません。
出資を募る聞くと少し怪しく感じるかも知れませんが、会社設立の際には当たり前に使われている王道の方法です。
「最初に◯◯円出資してくれたら、後から儲かった金額の◯%を配当するよ」
「◯◯円出資してくてたら、お礼に◯◯を渡すよ」
など、契約形態はさまざまです。
少し抵抗があるかもしれませんが、この「お金」の部分に抵抗感なく進める人のほうが圧倒的に成功しやすいので、とてもおもしろいやり方ともいえます。
補助金を使う
今すぐに開業する方(すでに開業している方)が主に対象になりますが、国や地方自治体による『補助金』を活用する選択肢もあります。
ただしいつでも募集しているわけではなく、申込みから審査決定まで1年近く時間がかかったり、その上、審査に通過するとは限らなかったり、機会損失になるリスクがあります。
「補助金ありき」では考えず「使える場合は使ったほうがメリットが大きい」と捉えるのが賢明です。
リースを使う
リースとは「一定期間、借りる」というもので、自己所有にはならないので基本的には後から返却することになります。
個人の方ではあまり使われていませんが、毎月払っている金額を経費扱いにできるというメリットがあり、法人企業でよく使われます。
ここまでで、6種類の資金調達の方法を解説しました。
ぜひ自己資金に加えて、さまざまな資金調達のやり方にも目を向けてみてください。
Step.7 キッチンカー(移動販売)で必要な設備について保健所で確認する
キッチンカーは、販売メニューや調理工程によって、必要な設備が異なります。なので製作に入る前に、出店したい地域を管轄している保健所に行って、必要なキッチンカーの設備ついて確認しましょう。
保健所ごとに判断基準が少しずつ異なるので、出店予定(もしくは出店するかもしれない)地域の保健所ごとに、それぞれ確認するようにしてください。
キッチンカーで必要な設備一覧についてはこちらの記事をご覧ください→キッチンカーで必要な設備一覧
Step.8 キッチンカー(移動販売車)を入手する
それではいよいよキッチンカーを入手する方法について解説していきます。入手方法は大きく分けて次の4パターンです。
- キッチンカーを製作する
- レンタルする
- 中古キッチンカーを購入する
- 自分で改造(DIY)する
では順に見ていきましょう!
キッチンカーを製作する
一番オススメなのが、このキッチンカー製作会社に依頼する方法です。品質、強度、使い勝手、デザイン性ともに質の高い仕上がりになるので、安心してキッチンカー運営に集中できます。
もし故障やトラブルが起こっても、誠意のある製作会社ならスピーディーに対応してくれるので、機会損失のリスクも低くなります。
とはいえイチからカスタマイズするとなると金額も高くなりがちです。
なのでオススメは『パターンオーダー』で製作すること。
ある程度決まった大きさと形を選んだうえで、おしゃれなデザイン&使いやすいレイアウトにカスタマイズしていくので、安価に製作できるのが特長です。
レンタルする
「いきなり製作をお願いするのはちょっとハードルが高い・・・」と感じる方は、まずは1週間〜1ヶ月ほどレンタルするのも良いでしょう。
キッチンカー運営のコツや感覚を掴んで、「これならチャレンジできる」と手応えを感じてから製作を依頼すれば、リスクを下げることができます。
中古キッチンカーを入手する
中古キッチンカーを入手される手もありますが、中古キッチンカー市場には2021年6月1日から施行された新しい「保健所の衛生基準」に適合していないものがたくさん出回っているので、あまりオススメはしません。また状態のいいキッチンカーほどすぐに売れてしまうケースがほとんどです。
どうしても費用を抑えたいのであれば「中古の車両で、新品のキッチン」という組み合わせで製作してもらうのがオススメです。
自分で改造(DIY)する
自分でバンを改造してキッチンカーに仕上げる方もいますが、たくさんの専用工具が必要で、時間と体力勝負になりがちです。できればその時間と体力を、出店場所探しをしたり、メニューやPOPを工夫したり、SNSアカウントを解説したり、そいうったことに充てたほうが賢明です。
たとえ自分で作れたとしても、保健所の基準に適合しなければすべて無駄になりますし、途中で故障して動けなくなると予定していたイベントに出店できなくなるなど信用問題にもなりかねません。
絶対に自信がある!という方以外はプロに任せるほうが、安心してキッチンカー運営に集中できるようになります。
Step.9 キッチンカーの出店場所を確保する
キッチンカー製作を依頼してから、実際に入手できるまで約2ヶ月。その間に、キッチンカーで出店する場所に目星をつけておきましょう。よくあるキッチンカーの出店場所について解説していきます。
大型フェス・大型イベント
大型フェス・イベントはたくさんの人が「お金を払うつもり」で集まっているので、キッチンカーにとっては大きなチャンスです。大量の食材を積んでいても1日で完売したり、1日100万円以上稼ぐキッチンカーオーナーもいるほどです。
頻繁に開催されるものではないですが、出店が決まれば一気に売上も上がり、認知度も一気に高まるので大チャンスです。
キッチンカーイベント・催事
最近ではキッチンカー専門のイベントも各地で開催されるようになりました。
国や自治体の主導で広い公園を貸し切って行われるもので、たくさんのキッチンカーが並び、お客様は「キッチンカーで買う楽しみ」を求めてやってきます。こういったイベントもここ数年で一気に増加しているので、出店したい方は早めに応募方法を確かめるようにしましょう。
スーパーの駐車場・駅前
イオンモールなどの大型スーパーや、地元の小さなスーパーや、駅前の駐車場でのキッチンカー出店も魅力的です。客足が安定していて、日々の売上を安定させていくのにとても有効です。
オフィス街
働く女性が増えたことでオフィス街ではランチ難民という現象が発生しています。人気の飲食店には長い行列ができ、ランチにたどり着くまでに長い時間がかかるというものです。
そんな方にとってキッチンカーは救世主。並ばずにすぐ食べられるだけでなく、周辺の飲食店にはないメニューを楽しむこともできます。
地方・郊外・ベッドタウン
地方の広場や公園、スポーツ施設などで出店する方も増えています。
多額の初期費用や固定費がかかる飲食店だと人口が少なく経営が成り立たないが、キッチンカーなら経営が成り立つ場所が地方にたくさんあります。
またコロナ禍でのリモートワーク・テレワークにより「毎日オフィスに来なくても仕事が回る」ことに気づいた企業が少なくありません。企業にとっては家で働いてもらうほうが交通費の負担も減ることから、コロナ後もリモートワーク・テレワークをする人が一定数存在するでしょう。
また、フリーランスで働く人口が増加していることから、郊外・ベッドタウンで働く人の数も今後さらに増え、キッチンカーニーズも高まると考えられます。
山間部・買い物難民向け
山間部を中心に『買い物難民』向けの移動販売・移動スーパーとして営業するのも選択肢の1つです。必ずしもキッチンカーの『調理をして提供する』というスタイルにこだわらなくてもOKです。
競合も少ないため、安定的なニーズを見込みやすいとも言えます。
Step.10 「食品衛生責任者」の資格を取得する
キッチンカーを開業するには「食品衛生責任者」の資格が必要です。
令和3年6月1日から「営業許可施設ごとに資格取得者を置く」ことが義務付けられるようになり、それにはキッチンカーも含まれます。
一度取得すれば全国どこでも通用する資格なので、遠方のイベントに出店する際も取得し直さなくてOKです。
また有効期限もないため更新もしなくてOKですが、数年ごとに、実務講習会を受けることが義務化されているため、常に新しい食品衛生面の知識を学ぶようにしましょう。
取得方法
講習会といってもそんなに構えるようなものではなく、各都道府県で開催されている「食品衛生責任者養成講習会」を受講するだけで、当日中に受講修了証が受け取れます。
受講は約6時間で終わります。
費用
受講費用は各都道府県によって少しずつ異なりますが、おおよそ10,000円ほどです。
詳しくは各都道府県の食品衛生協会のHPを確認するようにしましょう。
参考リンク:関西エリアの食品衛生責任者養成講習会について
京都→https://www.kyoto-pref-fha.jp/session/
奈良→http://nara-shokkyo.jp/training/index.html
滋賀→http://www.shiga-shokukyou.jp/
兵庫→https://www.city.kobe.lg.jp/
Step.11 キッチンカーの営業許可を保健所で取得する
キッチンカーを入手できたら、保健所で「営業許可」を取得します。
営業許可には大きく分けて「食品営業自動車」と「食品移動自動車」の2種類がありますが、一般的なキッチンカーの場合、「食品営業自動車」の許可を申請します。
食品営業自動車と食品移動自動車は、一見すると似ていますが、それぞれ以下のような違いがあります。
食品営業自動車 | ・営業できる業態:飲食店、喫茶店、菓子製造 ・生ものは扱えない ・車内では小分け、盛り付け、加熱処理など簡単な調理加工ができる ・申請費用は10,000〜18,000円/件程度が目安 |
食品移動自動車 | ・営業できる業態①:食料品などの販売、乳類の販売、食肉の販売、魚介類の販売 ・車内で取り扱う食品は事前に包装されたものに限られる ・車内での調理加工は行えない ・申請費用は10,000円/件程度が目安 |
何をどのように提供するかによって取得する営業許可は異なりますが、キッチンカーの場合は基本的に食品営業自動車を取得することとなります。
必要書類を揃えて申請する
まずは必要書類を揃えて、保健所に提出しましょう。許可申請手数料とともに、営業許可申請書、キッチンカーの配置図、食品衛生責任者の資格証の提出が求められます。また「出店する地域ごと」に取得が必要です。
わからない場合は、必ず保健所に確認するようにしましょう。
キッチンカーの検査を受ける
保健所の担当者に、実際にキッチンカーの車両を確認してもらいながら、基準に適合しているかどうか検査が行われます。ここで基準に適合していると判断されたら、営業許可を取得できます。
きちんとした製作会社で入手したキッチンカーなら、ここにきて不合格になることはありません。
なお検査時には、営業者本人の立ち合いが必要です。車両タイプや大きさによって基準が異なる場合があるので、事前に担当者にしっかりと確認するようにしましょう。
取得費用
取得にかかる費用は、各保健所ごとに若干の差はありますが、おおよそ15,000円程度です。
更新期間は5年ごと
営業許可は5年ごとの更新が義務付けられています。
更新の際は、その時の保健所の衛生基準に合致しているかどうかで判断されます。キッチンカーを入手する際には「この先もずっと基準を満たし続けられるか?」を視野に入れて作ってくれる製作会社に依頼するようにしましょう。
Step.12 キッチンカー開業に必要な保険に加入する
続いてキッチンカー開業で欠かせない保険について解説します。大きく次の3種類です。
- 自動車保険(任意保険)
- PL保険
- 施設所有者賠償責任保険
では順に解説していきます。
自動車保険(任意保険)
キッチンカーは『自動車』なので自動車保険に必ず加入してください。
キッチンカーは自家用車に比べて運転する時間や距離が長いですし、その上、仕事のことを考えながら運転しがちなので、事故率も高いです。
自動車保険には人身保険、対物保険、車両保険の3種類がありますが、これらすべて加入するのがオススメです。橋桁やトンネルをくぐる際にキッチンカーの天井部分をぶつけてしまう事故も多発しています。
そんなときも車両保険に入っていると、修理費用の負担がとても軽くなります。
PL保険
PL保険とは『生産物賠償責任保険』のことで、食中毒などでお客様に損害を与えてしまった場合に補償が受けられる保険です。
キッチンカーは、飲食店に比べて高温多湿の環境で運営することが多いため、食中毒のリスクもゼロではありません。たった一度の事故で継続不能にならないためにも、PL保険にも加入するようにしてください。
施設所有者賠償責任保険
こちらはキッチンカーの設備によってお客様に損害を与えてしまったときに保障してくれる保険です。
- タペストリが倒れてお客様が怪我をした
- 跳ね上げ扉が勢いよくしまってお客様が怪我をした
など、自動車保険、PL保険が適用されない事故でも保障してくれるので安心です。
「施設所有者賠償責任保険」に加入しているキッチンカーオーナーは少数ですが、もし不安を感じるなら入っておいてもよいでしょう。
Step.13 SNSを活用してキッチンカーの広告宣伝をする
キッチンカーを入手して、保健所の営業許可も取れたら、SNSを活用して自分で宣伝をしていきましょう!
今やSNSを使えば個人が誰でも情報発信ができる時代です。キッチンカーオーナーにオススメな無料で使えるSNSには次の3つです。
- Instagram(←一番オススメ)
ついて解説していきます。
Instagram(←一番オススメ)
現在、もっとも利用者数が伸びていて、なおかつ集客力が高いのがInstagramです。キッチンカーはおしゃれで、街中でとても映えるので、写真映えが重視されるInstagramとの相性もぴったりです。
FacebookはInstagramに比べると利用者数は少し減り気味ですが、Facebookページという機能を使うことで、認知度アップ・ファンづくりができます。Facebookページにいいね!してくれる人を増やしていくことで、投稿を見てくれる人の数も増えていきます。
またInstagramに投稿した際に、Facebookに同時投稿される機能がありますので、ぜひ使うようにしてください。
Twitterもぜひ活用しましょう!
短文投稿で手軽に使えて、写真や動画も投稿できます。
また友だちとのやり取りが大勢の人の目に止まりやすいという特長があります。Twitterでファンと交流することで、多くの人に存在を知ってもらうことができます。
ぜひSNSで自分のお店やこだわりをこまめに発信して「行きたい!」と多くの人に感じてもらえるようにしましょう。
キッチンカー(移動販売車)開業でありがちな3つの失敗例と対策
キッチンカーを開業したものの、失敗してしまうケースは決して少なくありません。ここでは、よくある失敗例とその対策について解説します。これから開業しようとしている人はぜひ参考にしてください。
失敗例① 初期費用をかけすぎた
キッチンカーの製作そのものに費用をかけすぎてしまったために、開業後に余裕がなくなるといったケースは珍しくありません。新しい事業を始めることもあり、キッチンカーを豪華にしたくなる気持ちはわかりますが、開業後の資金繰りまで考えておくことが大切です。とはいえケチケチしすぎてすぐに壊れたり、お客様に「美味しそう!」と感じてもらえなくては、意味がありません。
最初は豪華すぎるキッチンカーではなく必要十分なものにし、商売が軌道に乗ってきてから、追加したいものがあれば追加することがオススメです。
まずはお気軽に相談してくださいね^^
失敗例② 営業許可を取得できなかった
キッチンカーの出店にあたっては営業許可が必要ですが、許可の取得に失敗するケースもあります。
これは事前に情報を調べていなくて、キッチンカーが出来上がってからぶっつけ本番で申請してしまうことが大きな原因です。
また、情報を調べたものの、いまいち理解できておらず、許可が通らなかったということもあります。
当然ながら、営業許可が通らないとキッチンカーで出店することはできないので、製作費用が無駄になります。
必ず保健所に事前確認をした上で、保健所の基準に詳しいキッチンカー製作会社に依頼するようにしましょう。
失敗例③ 利益が残らない(儲からない)
売上がなかなか伸びずに苦労する、もしくは、売上が伸びても利益が出ないという悩みもあります。
このような場合、まずはメニューを見直すようにしましょう。
具体的には、
- メニューの原価が高くて利益が出にくくないか?
- 提供までに時間がかかり販売数が伸びにくくないか?
- 独自性を意識しすぎて美味しさがイメージしずらくないか?
といったことです。
目玉メニューと利益を出すメニューを分けたり、利益率の高いドリンクで収入を稼ぐといった工夫が必要です。
その後、オリジナリティの高いメニューを追加する方もおられますよ^_^
【まとめ】必要な準備をしっかりしたうえでキッチンカー開業を成功させよう!
いかがでしたでしょうか?この記事では、キッチンカー(移動販売)を開業に必要な資格や資金、その手順、失敗例と対策について解説しました。
キッチンカーは、店舗型の飲食店と比べると、初期費用や固定費などのコストを抑えられることが大きな強みです。
また、お客さんがいるエリアに移動できる点も魅力的だといえます。
とはいえ開業するにあたっては、営業許可の取得や事業計画の立案、資金調達などやるべきことはたくさんあります。
ですが、一番大切なのは「キッチンカーって楽しそう」「多くの人に喜ばれたい」という強い気持ちです。
やりたい!という気持ちがある方は、しっかり準備して、ぜひチャレンジしてほしいなと思います^^
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