イベント会場やお祭りなどで、キッチンカーの唐揚げ屋さんをよく見かけますね。最近は、定番メニューやご当地メニュー、お店のオリジナルメニューまで幅広い味が楽しめるようになってきました。
今回は、お客様がリピートしたくなるボリューム満点の旨い唐揚げを提供するポイント、気になる売上や利益、成功のコツをご紹介します!
ボリューム満点で大人気の唐揚げ
香ばしくてカリッと揚がったボリューム満点の唐揚げは、多くの人に愛されるメニューのひとつです。
店舗ごとに衣の揚げ方や味付けにこだわったオリジナルメニューや、大人気ご当地メニューなど、どこに行ってもおいしい唐揚げが食べられるのも人気の理由です。
キッチンカー(移動販売車)で唐揚げを販売するメリット
それぞれ詳しく解説していきましょう。
原価率が低く利益が出やすい
基本的に、原価(材料費)が安いほど利益が残り儲けが大きいということになります。飲食業の材料費は一般的に30%が目安です。唐揚げの材料費は25%程度なので利益を残しやすいメニューです。
唐揚げ販売は、「原価率が低く利益が出やすい」という大きなメリットがあります。
老若男女問わず大人気で売れやすい
唐揚げは、大人も子どもも満足できるメニューといえます。この一品で、大人はお酒のつまみとして、子どもはご飯のおかずとして喜ばれるからです。
また、客層を選ばないため出店場所の選択肢が広がります。
食事/軽食との相性がよく、時間帯問わず売れやすい
唐揚げは、ご飯と一緒にお弁当として販売したり、カップに入れて軽食として販売したりと販売方法をアレンジできます。
そのため、出店時間が限定されることがなく時間帯によってニーズのある販売方法で売上を上げることができるのです。
提供スピードが早く、回転率を上げやすい
唐揚げの調理工程で仕込みは前もって行うため、キッチンカーでは油で揚げる作業だけです。
揚げる時間はある程度必要となりますが、作り置きが可能なメニューです。ピーク時を想定して数を準備しておけば、短時間で大きな売上が見込めます。
作り置きの唐揚げが冷めないように、保温ショーケースを準備しておきましょう。
アレンジメニューを充実させやすい
唐揚げは食材選びや味付け、調理法などをアレンジしやすいため、「オリジナルメニューが作りやすい」というメリットがあります。
メイン食材の鶏肉は、産地やブランド、使用する部位などで、競合との差別化を図ることが可能です。味付けは、基本のしょうゆ味をにんにく風味や塩味などにアレンジして、バリエーションを増やしましょう。
また、衣の種類を変えて揚げると、カリっとした食感の唐揚げや、しっとりした食感の唐揚げが作れます。
ソースは、マヨネーズ、タルタルソース、甘酢あんかけなど、オリジナリティを出すことで差別化が図れるでしょう。
キッチンカー(移動販売車)で唐揚げを販売するデメリット
ライバルが多い
唐揚げは、性別・年齢を問わず人気の高いメニューです。実店舗とキッチンカーを合わせると、唐揚げ専門店はかなりの数になります。
とにかく、キッチンカーでの唐揚げ販売はライバルが多いということを認識して、あらかじめ競合との差別化対策を考えておくのがいいでしょう。
必要設備のサイズが大きい
調理過程は「揚げるだけ」という唐揚げですが、意外とスペースが必要となるため、注意が必要です。
フライヤーは、効率化を考えて2槽タイプが望ましいとされています。しかし、2槽タイプのフライヤーはサイズが大きいため、車内の他の機材の設置場所をどうするか、前もって考えておくことも大切です。
また、揚げた唐揚げを入れる保温ショーケースや、仕込んだ鶏肉を保存しておく冷蔵庫などを置くスペースも確保しなくてはなりません。
これらを考慮すると、大きめの車両を検討する必要も出てくるでしょう。
こまめな清掃が必要
キッチンカー内で揚げ物をするなら、車内の油汚れ対策が必要です。調理スペースを清潔に保たなければ、保健所から衛生面のチェックが入るからです。
床や壁は汚れが落ちやすい素材にしたり、調理中は油汚れが溜まりやすくなるため換気扇を設置したりするなどの対策を検討しましょう。
キッチンカー(移動販売車)で唐揚げ屋は儲かる?売上と利益について
実際に、どのくらいの売上や利益があるのかを解説します。
キッチンカー(移動販売車)の唐揚げ屋の開業資金
キッチンカーでの唐揚げ屋の開業資金は、一般的に200万円から500万円といわれています。主な初期費用として、車両代・設備費用・保険料・原材料費などです。
必要な費用は、自分で貯めておく方法と銀行からの融資を受ける方法があります。開業条件や場所によって、補助金や助成金が利用できる場合があります。自治体のWebサイトなどで確認しておきましょう。
キッチンカー(移動販売車)の唐揚げ屋で必要な経費
原則として、経費にできる費用は1つにつき10万円以下です。合計金額の制限はありませんが、売上が少ないのに経費がかかり過ぎては利益がなくなるだけです。
しっかりと、節約しながら経費を計上しましょう。
経費として計上できる項目は次の通りです。
・原材料の仕入れ費用
・備品の購入費用
・出店のためのガソリン代や高速、宿泊費、駐車場代
・開業のための保険(自動車保険・PL保険など)
・チラシ・タペストリーなど宣伝のための制作費
・出店のための水道光熱費
・インターネット、電話など経営に関わる通信料
・飲食店営業許可証にかかる費用や、キッチンカーにかかる自動車税
キッチンカー(移動販売車)の唐揚げ屋の利益の目安
メニューの単価を、唐揚げ単品500円・唐揚げ弁当700円・ソフトドリンク200円としてシュミレーションしてみましょう。
土日と平日3日の週5日稼働すると年間の売上は約940万円になります。ここから必要経費を引くと、年間の利益は約420万円です。
経費を節約したり、メニューの価格設定を変えれば、さらに大きな売上と利益を生むことができます。
キッチンカー(移動販売車)で唐揚げ屋に必要な設備
それぞれについて、詳しく解説します。
二槽式フライヤー
フライヤーは、調理の効率化を考えると2槽タイプがおすすめです。
電気式とガス式のタイプがあり、それぞれ特徴があります。
電気式
ガス式に比べて安くて取り扱いも簡単です。しかし、ガス式より火力が弱く、温度が上がるまでに時間掛かる、連続して加熱しづらい場合もある、などのデメリットがあります。
価格帯は2万円〜4万円程度と購入しやすい値段です。
ガス式
火力が強く、短時間でおいしく揚げることができます。また、油の温度が下がりにくいため、すぐに次の調理に取りかかることができます。
価格帯は12万円〜15万円と、電気式に比べると値段は高めとなっています。
保温ショーケース
唐揚げを作り置きして回転率をあげるために必要なのが、保温ショーケースです。できるだけ冷めずに、揚げたときと同じようなおいしさを保つのに役立ちます。
価格帯は3万円〜20万円と、かなり値段に開きがあります。どんな機能が必要かを検討して、購入するようにしましょう。
キッチンカー(移動販売車)の唐揚げ屋におすすめの車両
1tトラック以上がおすすめ
キッチンカーで唐揚げを販売するためには、2槽タイプのフライヤー、保温ショーケース、冷蔵庫などの設備を設置するスペースがある車両が必要です。
軽トラックは価格が安く運転しやすいのですが、これらの設備を設置するにはスペースがたりません。
1tトラック以上の車両なら、必要な設備のためのスペースに加え、調理したり接客したりするためのスペースも確保できます。
キッチンカー(移動販売車)の唐揚げ屋で成功するコツ
鶏肉にこだわりを出す
競合との差別化として、まずは原材料の鶏肉にこだわりを出すことです。
外国産の鶏肉は安価で手に入りますが、お客様は国内産の鶏肉を使用している方が安心だと感じるでしょう。
また、国内産の鶏肉でも、ブランド地鶏を使用することによって、材料費は高くなりますが販売価格を上げることができます。
味付けにこだわりを出す
「このお店のこの味がたべたい!」とお客様に感じてもらえるような味付けの唐揚げが提供できれば、リピーターが増えることは間違いありません。
出店する地域の唐揚げ屋の味を研究して、差別化できるような味付けを考えるのもよいでしょう。
また、部位ごとに相性の良い味付けを提供して、お客様の反応をみるのもおすすめです。
調味料にこだわりを出す
唐揚げの基本的な調味料は、しょうゆ・にんにく・ショウガです。この3つの調味料の配合を変えて、にんにくを多めにすると香りが立ちます。
また、しょうゆを塩に変えたり、甘味を足したりしてオリジナルのメニューを作ってみましょう。
トッピングメニューやソースを充実させる
唐揚げにつけるトッピングやソースに、オリジナリティを出して差別化を図ります。
タルタルソースやチリソースを手作りにしたり、またスパイスソルトをオリジナルアレンジしたりと、アイデアはいろいろあります。
トッピングやソースが充実していると、お客様も楽しんで食べることができるので、リピート率も上がります。
サイドメニューを充実させる
唐揚げと相性のいいサイドメニューを作ると、一緒に購入してくれる確立が高くなります。セット販売もいいでしょう。
フライドポテト
唐揚げとセットになる定番のサイドメニューです。じゃがいもをカットしてサクサクに揚げ、数種類のソースを準備しておくと、お客様に喜ばれます。
コールスローサラダ
油っこい唐揚げには、さっぱりとしたコールスローサラダがとてもよく合います。キャベツ、にんじん、コーンをマヨネーズなどの調味料であえた定番レシピのほかに、ツナやフルーツビネガーを使ったオリジナルレシピもオススメです。
オニオンリング
サクサクのオニオンリングも唐揚げとの相性がよく、お客様がよろこぶメニューのひとつです。タルタルソースやバーベキューソースをあわせるとおいしさがアップします。
ご当地メニューをウリにする
ご当地の食文化を取り入れた唐揚げは、他店との差別化を図れるおすすめのメニューです。有名なご当地の唐揚げには、「名古屋の手羽先」や「台湾の鶏排(ジーパイ)」などがあります。
このようなご当地メニューは、「懐かしい味」「食べてみたかった味」など、お客様の気持ちをつかみリピーターの獲得につながります。
人目を惹くPOPやタペストリにこだわる
キッチンカーの唐揚げ販売では、競合店より目立たなければ、お客様に興味を持ってもらうことができません。
唐揚げを食べたいと感じているお客様は、ガッツリ系のPOPやタペストリーに目がいきます。見た目が唐揚げ販売店らしくなかったり、何を販売しているか分かりにくかったりすると、お客様を逃がしてしまう可能性が高くなります。
お客様に、どんな唐揚げを販売しているのかを一目で理解してもらえるようなPOPやタペストリーを制作しましょう。
キッチンカー(移動販売車)の出店場所に合った売り方をしよう
オフィス街/住宅街ならお弁当で
オフィス街や住宅地では、ランチタイムが稼ぎ時です。ビジネスパーソンや家族連れをターゲットとして、ボリューム感があり、満足度が高そうな唐揚げ弁当を販売しましょう。
サイドメニューもセット販売にすると売上につながります。
イベント会場/観光地/スーパーなら単品で
イベント会場や観光地では、座って食べるよりも歩きながら食べる方が多くなりがちです。唐揚げをカップに入れて販売すれば、持ち歩いて食べることができるため、お客様に購入してもらいやすくなります。
その場合、容器のデザインを、オシャレにしたりキャラクターなどでかわいらしくするのもおすすめです。イベントや観光地での思い出に残る写真としても見栄えが良く、特に女性客やカップルに喜ばれるでしょう。
【まとめ】キッチンカー(移動販売車)でボリューム満点の旨い唐揚げを提供しよう
今回は、キッチンカーで旨い唐揚げを販売する方法や、成功のコツについて解説しました。
競合が多い唐揚げ販売は、とにかく差別化を図ることが重要です。上手に宣伝して、お客様にボリューム満点の旨い唐揚げを食べてもらい、リピーターを増やしましょう!